FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

マイノリティの国民審査

ニューヨークで今年7月、白人警官が黒人男性を拘束する際に
首を絞め死亡させた事件で、警官を不起訴とする大陪審の決定
に反発したニューヨーク市民ら数千人が抗議のデモを行ったとの
報道を見聞きし、いろいろ考えさせられます。


大陪審は、一般市民から構成されるわけですが、私は、大陪審
を務めた一般市民の皆さんの判断に文句を言う気にはなれない
のです。


だいたい、不公平・理不尽がまかり通る世の中で、泥臭い
人間関係に揉まれながら日常を過ごす我々一般市民に対して
公平・公正な法的判断を要求するのは、そもそも無理な話なの
でしょう。


菊池寛の「若杉裁判長」なんかを読むと、ひょっとして
職業裁判官であっても、常に妥当かつ公平・公正な法的判断を
するのは難しいのではないか、なんて思ってしまいます。


そんなことを考えながら選挙の投票所入場券のハガキを
めくると、「最高裁判所裁判官国民審査」という文字が。


5人の裁判官について、最高裁の裁判官を務めるにふさわしいか
どうか考えよ、とのことであります。


うーん、難しいですね。

「顔が怖い」とか「経歴が立派過ぎて憎らしい」とかいう
理由でバツを付けてもいいのでしょうけれど、やっぱり、
彼らが下した判決をもって評価したいところです。


裁判所 裁判例情報

のページから全文検索で各裁判官の名前をキーワード検索すると、
それぞれが関わった判決を調べることができるとわかりました。


そうしてざっと判決文を読んでみると、今回の国民審査の対象と
なっている木内道祥裁判官が担当した、私にとっては興味深い
事件が見つかりました。


戸籍訂正許可申立て却下審判に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
判決全文



-----

<事件の概要>

1.性同一性障害により男性への性別変更の審判を受けた者
 (以下「夫」という)が女性(以下「妻」という)と結婚した。

2.妻は、第三者から精子の提供を受け、人工授精により妊娠、
 子を出産した。

3.夫妻は、子の出生届の父親欄に夫の氏名を書いて区役所に
 提出したが、区長は、記載に不備があるとして、子の父を
 空欄として戸籍に記載した。

4.夫妻は、夫婦の婚姻中にできた子は夫の子とする民法772
 条の規定が適用されるため、子は夫の子であり、戸籍の子の
 父欄に夫の氏名を記載するよう訂正を求め、裁判で争った。


<判決の要旨>

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項の規定
に基づき男性への性別の取扱いの変更の審判を受けた者の妻が婚姻
中に懐胎した子は,民法772条の規定により夫の子と推定される
のであり,夫が妻との性的関係の結果もうけた子であり得ないこと
を理由に実質的に同条の推定を受けないということはできない。
(補足意見及び反対意見がある。)

つまり、夫妻の請求が認められた。

-----

これは、性的少数者にとってはかなりのインパクトを持つ判決
だと思います。

今回、国民審査の対象となっている木内道祥裁判官は、この判決に
関わり、上記の判決の要旨に対し、補足意見を付した上で賛成して
います。


この判決についてどう考えるかは、見解が分かれるところですが、
こういった判決を足掛かりに、マイノリティ自身が自分の頭で考えて
みることが大事かと思います。


私は、判決の要旨には賛成です。
(寺田裁判官が補足意見(注3)で述べているように、「特例法は、
民法の適用上、その対象者であるがゆえに不利な扱いを受ける
ことを避けようとしているに止まり、一般の男女に認められること
を超えた特別の優遇策を施そうとするものではない」という理解
を前提にして。)


しかしながら、大谷裁判官が反対意見で指摘するように、
本件のような事例は、生物学的には女性である者が性別変更をし
女性と結婚した場合にのみ問題となるのであって、生物学的に男性で
ある者が性別変更し男性と結婚した場合には、現在の法律では、
問題になり得ません。生物学的に男性である者は子を懐胎できない
からです。

この点、当事者の実感としては、不公平感があることも否めず、
これについては、法律の解釈の問題でなく、新たに法律を作る
ことによって解決すべき問題であります。


ここで、

「では、生殖医療技術の進歩や性の多様性を踏まえて、新しい法律
 を作ってくれそうな政党もしくは衆議院議員候補は誰か?」

と考えれば、今度の日曜日に投票先を考えるヒントになるでしょう。


もっとも、ある単一の争点について賛成か反対かだけで投票行動を
決めるのはいかがなものかと思いますけれど、何も考えないよりは
いいんじゃないかと思って、記事を書いてみたのです。

・・・

本当は、先週の金曜日に記事をアップしようと思っていたのですが、
延び延びになってしまいました。
投票がまだの方は、ぜひこれを期にいろいろ考えてみてはいかが
でしょうか。

記事が参考になりましたら応援クリックをお願いします。
にほんブログ村 メンタルヘルスブログへにほんブログ村 メンタルヘルスブログ 人間不信・人間嫌いへ にほんブログ村 恋愛ブログ 無性愛・アセクシャルへ
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

No title

不公平感もなにも、生物学的にその子供である事が 親子の条件であり、そのじんかん(人間)を越えた理の上に、人の親子の形、家族の形、そのまつわる問題への法が作られているのであって。
自身を男性だと主張し、又、他人による法的承認を得た場合。
妊娠は許されないことになります。
これは、自身を男性だと主張した事は嘘であり、得た承認への詐欺行為となります。
人の思惑に関わらない理の上に存在する男性のできることできないこと、に自身を対象として認めさせているのですから。
妊娠できるからした。では、単に自身にとって求めるところをむさぼるために(欲望の為に)人々を欺いたことが明らかです。
自身が発生段階からどのような存在になるのかは、人の及ぶところではありません。 その上で、性別がどのようなものなのか私たちは知っていますね。
男になりたい男にあこがれるから、認めさせる。 など言語道断です。
不一致を感じるなど、感じるその個人のイメージに過ぎません。
周囲が同情し阻害しない程度の人間性であれば ほほえましくうれしいものですが、事実、公正を担う司法が個人の主張に同調するのでは 理に反しています。
どのように言い募ろうが、思い込み信じ込もうが 事実は事実であり公正な判決を行わなければなりません。
法の解釈や、法の適応など その根底があってこそのものであり 法によるほうの解釈など言語道断です。 人間のなしてよいことではありません。
女だから、男になりたいといっていた事実。
それを認めてあげた事実。
そしてそれを裏切った事実。
裏切ったからには、女性である事を司法は認めなければなりません。
判断を誤った事が立証されているのですから、判事は、恥じて職を退くべきです。

踏み込んだ議論が必要ですね

こんばんは。
「考えてみてはいかがでしょうか」との私の問いかけに対して、実際に
考えたうえでコメントをくださり、どうもありがとうございます。

相当憤慨なさっているようですが、ぜひ他の方の意見や論評も参考に
してみてください。(と言っても、専門雑誌の記事では2つしか見つかり
ませんでした。)
国立国会図書館の該当ページへのリンク
http://id.ndl.go.jp/bib/025406138
http://id.ndl.go.jp/bib/025828067

なお、私の説明不足だったかもしれませんが、記事にて紹介した事件
で子を妊娠・出産したのは、性別変更の手続により男性となった夫の
方ではなく、生まれてからずっと女性のまま性別変更していない妻の
方です。

せっかくコメントをいただいたので、この記事の続きを近日中に書く
こととします。もしよろしければご覧ください。
プロフィール

人間嫌い3級

Author:人間嫌い3級
日本の片隅でひっそりと暮らす人間嫌いです。
アラサー。

にほんブログ村 メンタルヘルスブログへ

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 人間不信・人間嫌いへ

にほんブログ村 恋愛ブログ 無性愛・アセクシャルへ

最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。