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又吉直樹「火花」の感想 7/22追記

芥川賞を受賞した又吉直樹さんの「火花」は、
書店に行っても売り切れで、それでも仕事が休みの
今日のうちに読みたいと思い、電子書籍(アマゾンの
Kindle)版を買って読みました。


読んでいて、後半から涙が止まりませんでした。

涙が止まらなかったというのは大げさで、正確に言うと
断続的に涙が出ました。


涙が出る類の作品だとは聞いていなかったので、
自分でも意外に思いましたし、加えて、


「私の感情を揺さぶる本は、紙に印刷されたものに限る」


と今までずっと思っていましたので、
液晶ディスプレイに表示される物語を読んで涙する
という体験は、私の固定観念を覆すものでした。


それで、私がどのような理由で泣いたのかですが、

私自身よくわかりません。


でも、「感動して泣いた」というのとは違う気がして
います。



「1行1行にとてもコストがかかっている感じがした」

との芥川賞の選考委員のコメントに、私は深く納得する
次第です。


笑いを極めるという、雲をつかむような営みに若い頃の
時間と情熱を費やした登場人物たちの物語が、無駄ばかり
の青春を過ごし、みっともないいまを生きる私の心を浄化
してくれるような気がしました。


そうすると、私の涙は、ある種の感謝の涙なのかとも
思います。


又吉さんの次の作品にも期待しています。
「火花」は、男性目線で書かれた印象を受けました。
違った毛色の作品を読んでみたい気もしますが、男社会の
中のごく狭い関係を書いたものとして面白く読むことが
できましたので、やっぱりこの路線がいいのかなとも
思います。



ところで、本作は20歳の主人公が30歳になるまでを
書いた作品で、もうひとつの芥川賞受賞作「スクラップ
アンドビルド」の主人公は28歳だそうですが、両方
とも青春小説と評されているようです。


ひょっとして青春小説も高齢化しているのかと思うと、
いまいち大人になりきれない気のする私は、少しばかり
安心するのでした。


-----
2015年7月22日 追記


昨日は、久しぶりに心を動かされる読書体験ができた
ので、ついつい気分よく記事を書いただけで終わり
ましたが、若干の補足をします。



「読む人を選ぶ本かな」


と思います。

私は涙しましたが、
それは、私の体調によるものだったのかもしれませんし、
昔好きで読んだピカレスク小説にどこか似た雰囲気を
感じたのか、私自身と物語の主人公とに共通する部分を
見つけたからなのか、やっぱり分かりません。


私が、明日からまた嫌な職場に行くための元気を本書から
もらったのは確かですが、誰の心にも印象に残る類の本
ではないかもしれません。


それよりも、このブログを読んでくださっている
セクシャルマイノリティの方に向けて、「火花」に
関する大事な補足があります。


セクシャルマイノリティの方の中には、「火花」のラスト
を読んだらがっかりする方もいるかと思います。


思えば、「神谷さん」が最初に登場したときも、女言葉で
漫才をしていたのでした。



私がふと感じたのは、

「笑いは、男尊女卑の要素を含むのかもしれない。」

ということです。


女性的な言動や服装をする男性(元男性を含む)の芸能人
やタレントはいますが、逆のパターンを私はほとんど
知りません。


宝塚歌劇団の男役の女優さんくらいしか思いつかないです
し、彼女たちにせよ、お笑いの文脈には出てこないのでは
ないでしょうか。


相対的に女より上の地位にいるはずの男が、あえて地位を
下げて女として振舞うからそこに笑いが生まれるのかなと。



やっぱり、又吉さんには別の路線の物語も書いてほしいと
思います。


「笑いの中の男尊女卑の構造を、分析し明らかにした上で、
嫌味のない形で世間に提示し、それをぶち壊す」

又吉さんならそれができるかもしれないと思いました。
コントでも小説でも何でも構いません。
どんなものができ上がるか見てみたいです。


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日本の片隅でひっそりと暮らす人間嫌いです。
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