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友情結婚のための最低限の法律知識2

前回の記事
(文章の流れが悪かったので、最高裁の判例を後で
付け加えました。)



最近気になったニュース記事を紹介します。

「ゲイだ」とばらされ苦悩の末の死 学生遺族が一橋大と同級生を提訴

一橋大・ゲイとばらされ亡くなった学生 遺族が語った「後悔」と「疑問」

一橋大ロースクール生「ゲイだ」とバラされ転落死 なぜ同級生は暴露したのか

(3つの記事は、いずれも同一事件について同じ
人が書いたものです。著者の渡辺一樹さんは、
今後もこの事件を追っていくものと思われます。)


この事件に関するコメントは、本題から外れてしまい
ますので差し控えますが、私があえてこの事件を紹介
したのは、

「心ない人というのはどこにでもいる」

「人は、他人に意地悪をしたくなってしまうことがある」

「(少なくとも本人にとっては)自分を守るためにする正当な
意地悪というものもあり得る」

ということが、友情結婚にも当てはまると思うからです。


他人の夫婦生活にあれこれ口を挟む人はそれほどいないと
思いますし、結婚生活に多少の標準的でない部分があった
としても、夫婦の双方に不満がないのであれば特に問題に
はならないと思うのですが、夫婦の関係が悪化した場合や
第三者との利害の調整が必要となった場合に、友情結婚の
標準的ではない部分が露呈し、トラブルになることが考え
られます。




具体的にありそうな事例を考えてみます。


1.相続をめぐる配偶者の親族との争い


同性愛者である女性Aと男性Bは、別居、別生計、夫婦間
の性交渉なし、お互いに同性パートナーありという条件で
友情結婚をし、入籍し、結婚生活を2年ほど続けてきたが、
Bが不慮の事故で突然亡くなってしまった。


Aは、当然に、Bの財産の2分の1を配偶者として相続
できると考えていたが、Bの父から、

「そのような条件について合意の上での結婚は、法律上の
婚姻とはいえず無効であり、Aには配偶者としての相続権
もない。」

と言われ、AとBの間の婚姻の無効を確認する訴えを裁判所
に提起された。



これについて、どのように考えることが可能でしょうか。



民法は、次のように規定しています。


第742条 婚姻は、次に掲げる場合に限り、無効とする。
 (1) 人違いその他の事由によって当事者間に婚姻をする意思がないとき。
 (2) 略


742条1号にいう「婚姻をする意思」とは何を意味する
のか、婚姻届を役所に提出する意思で十分なのか、
「病めるときも健やかなるときも・・・生涯、互いに愛と
忠実を尽くすことを誓う」意思が必要なのか、明らかでは
ありません。


「婚姻をする意思」がなければ、婚姻が無効とされて
しまうわけですから、ここで規定されている
「婚姻をする意思」が何を意味するのかがとても重要と
なります。



学者の中には、婚姻の届出ををする意思で足りると考える
(形式的意思説)方もいるようですが、最高裁は、婚姻を
する意思について、「社会通念に従い、客観的に夫婦と
みられる生活共同体の創設を真に欲する効果意思」が
必要である(実質的意思説)との立場です。

婚姻無効確認本訴並びに反訴請求[昭和44年10月31日]


ここで「社会通念上の夫婦生活って何?」と疑問に思う
方もいると思います。

実は、この点がはっきりしないので、最高裁の判決が出て
からも、学者さん達はいろいろ考えました。


そこで、社会通念というあいまいな概念を持ち出すの
ではなく、より法的な考え方に基づき、婚姻を、民法の
定める定型であると理解し、説明しようとする学者さんが
出てきました(法律的定型説)。


婚姻をすると、いろいろな法律上の効果が生じます。

婚姻によってその効果の全部を生じさせようとする意思が
「婚姻をする意思」であるという説明です。


しかし例えば、婚姻をすることによって、他人の遺言の
証人や立会人になれなくなる場合がある(民法974条)
というのも、民法が定める婚姻の効果の一つではあります
が、このことを知らずに婚姻をしたからといって、婚姻の
意思がなかったと判断するのはおかしいでしょう。


そうすると、婚姻による法律上の効果の全部でなくて
一部であっても効果を生じさせようとする意思があれば
「婚姻をする意思」であると言い出す学者さんが出てきて、
結局、「民法の定める定型」の内容も明確ではありません。



さて、女性Aと男性Bの話に戻ります。

結局、「別居、別生計、夫婦間の性交渉なし、お互いに
同性パートナーあり」という条件で結婚したAとBの間に
「婚姻をする意思」はあったといえるのでしょうか。


上に書いたとおり、「婚姻をする意思」の内容は必ずしも
明確ではありません。


しかし、民法は、
「夫婦は同居し、協力し扶助しなければならない」(752条)

と定め、また、裁判上の離婚原因として
「配偶者に不貞な行為があったとき」(770条1項1号)

と定めており、多くの学説は
「同居義務や貞操義務を全く負わない旨の合意をしての
婚姻は、民法上の婚姻とはいえない」という見解を支持
しています。


よって、AとBには婚姻をする意思があったとはいえず、
AとBの婚姻は無効であると判断されると考えます。



最後に、再び「婚姻をする意思」の話に戻ります。


最高裁判所のいう
「社会通念に従い、客観的に夫婦とみられる生活共同体の創設を真に欲する効果意思」
とは結局何なのでしょうか。


私が婚姻についていろいろ調べる中で気が付いたことが
あります。


それは、

「結婚生活の中身についての法律の規定は少ない」

ということです。


同居義務、協力義務、貞操義務くらいしか条文からは
読み取れません。


「夫」や「妻」としての務めとか、「嫁」としての務め
に関する規定は、特にないようです。



ひょっとすると、法律上の義務に加え、世間が何となく
期待していると思われるそうした夫や妻、嫁としての
務めや役割を果たす義務を負うこと受け入れて男女の
共同生活に入る意思のことを、最高裁は「社会通念に
従い、客観的に夫婦とみられる生活共同体の創設を
真に欲する効果意思」といっているのかなと思ったりも
します。


しかし、家制度の名残の残る昭和の時代ではないの
ですから、

「同居し、協力(家事の分担や子育ても含みます)し、
貞操義務を守って共同生活をする意思だけでは、婚姻を
する意思があるとはいえない」などと裁判所が判断する
とは思えません。



よって、友情結婚を考えるに当たっては、最低限、
「同居義務、協力義務、貞操義務を負って共同生活を
する意思」があればいい、

逆にこれがないと、婚姻の無効をめぐって争うこと
になったときに負けるおそれがある、と考えておくのが
いいのかもしれません。


次回は、結婚後も同性のパートナーを持つことと
貞操義務について考えてみます。


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Author:人間嫌い3級
日本の片隅でひっそりと暮らす人間嫌いです。
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